そして、ギターを教わり、だんだん2人でバンドを組むまでになっていった
一回目は全く合わず無理だった。
二回目も無理だった。
三回目も無理だった。
四回目も無理だった。
五回目についに合うようになってきた。
合ってきたとき、よもぎはすごくうれしそうな表情をした。
練習して、手は血で染まっていた。
「お前、そんな手ボロボロなのになんでそんなにうれしそうなんだよ」
「いや、私、音があってくると生きてるって感じ、」(にへへへへっと笑う)
「おおげさだな、でも、おもしれえだろ」
「うん、マジ面白い」
「俺もなんかうれしいよ」
「あんな苦労したかいがあったって感じ」
「そうだよな、お前頑張ってるよ。あんま頑張りすぎんなよ」
「うん、そうする」(えへへっと笑う)
「なんだよ、その笑い」(少し笑って)
「いや、高橋が心配してくれたから、一ミリくらいうれしい」
「一ミリかよ、もう少しあるでしょ」
「じゃあ、二ミリくらい」
「いや、3ミリくらいはあるだろう」
「じゃあ、三センチくらい」
「おおー、いっきに増えたねえ」
「でしょ、でしょ、でしょ」
「何の量?」
「塩の量」
「結構、しょっぱいなー」
「ちょい辛め」
「少し砂糖がほしいな」
「そんな甘くはない」
「じゃあ、練習しようか」
「ちぇっ、つまんない」
時は過ぎ、2人のバンドとして文化祭でデビューを果たすことにする。箱で少し経験を積んだ方がいいというよもぎに対して、高橋自身が決断した。
「ぶっつけ本番で行こうぜ」
「よもぎなら、大丈夫だよ。本番に強いしね」
「確かに、本番に強からね」
「OKそれならいいよ。プロの音を聞かせてやろうぜ」
「プロでいいんだ」
「お前はまだ、アマチュアだ。」
「高橋は?」
「俺は、身も心もプロだよ」(ニヤッと笑う)