「ウォーターストーリー」
Zさん「おはよう、野村さん」
Nさん「おっす、おはよう」
Zさん「昨日、30往復したら、今日足つりまくった」
Nさん「まだまだだね、オレも昨日30だよ。当たり前だけど、足つらなかったよ」
Zさん「あー、どうせ足つりましたよ」
Nさん「鍛え方が違うよ」
Zさん「本当にくやしい」
そこをBさんが通る、野村さんと目が合って少し会釈をして、通り過ぎる。野村さんが少し、ぼーっとする。
Zさん「聞いてない」
Nさん「あっ、悪い何だっけ」
Zさん「いいよ、もう」
Nさん「悪い、もう一回」
Zさん「しょうがない」
そこをもう一人、Dさんが通り過ぎる。ペコとあいさつしてスクールに入っていく。
水着に着がえて、プールに行くとZさんが練習を見ている。
Nさん「めずらしいな、泳がないの?」
Zさん「いや、特級クラスに新しい人が入ってきたみたい。それで今、見ていたところ」
Nさん「ホント、何コース?」
Zさん「1コース」
Nさん「速いな、ホームがいい。きれいな泳ぎするな」
Zさん「うまいだけじゃなく、速いのよね」
Nさん「やばいか、タイムは?25mの」
Zさん「計ったら、14.1秒くらいかな」
Nさん「そうか、速いな」
Zさん「それももう、500は泳いでる」
Nさん「このペースで500、うーん、そうか」
Zさん「野村さん以外ははじめてかも、このペースは」
Nさん「野村さん以外か」
それから、2,3週間が過ぎた。午後の練習終了後、居残り組みの中に野村さんの姿があった。
Nさん「くそっ、ちぢまらねえ」
もう、100泳いでくる。
Nさん「タイムいくつかな」
Xさん「1.01.2秒です。調子いいじゃん」
Nさん「そうだな、悪くはない」
Xさん「この調子なら、今度の国体いい線いくかもよ」
Nさん「――」
Xさん「そっか、Bさんか、強いよね」
Nさん「いや」
Xさん「国体予選、Bさんも通っているみたい、二人国体選手がいることになるな」
Nさん「知ってるよ。――」
Xさん「ライバルか――、負けられないな」
Nさん「そっか」
Xさん「それじゃあ、また、タイムをはかるよ」
Nさん「今日はやめとくわ」
Xさん「そっか、メシでもくいに行く?」
Nさん「いいよ、じゃあ、着がえてから玄関前で」
Xさん「ファミレス行こう。あそこのラーメンうまいよ」
Nさん「ラーメンくって、明日も泳ぐか」
Xさん「抹茶パフェくうかな」
Nさん「オレは、ホットケーキくうかな」